学校検診について
学校の視力検診では、A~Dの4段階で評価する370方式が用いられていますが、これは学校での学習に支障がないかを判断するものです。簡単に行うことができますし、短時間で検査可能である反面、目の状態を精密に調べるものではなく、視力の低下があってもその原因がわかりません。
視力低下は早期に適切な治療を行うことで、深刻な状態に進ませないようにすることができますし、原因に眼科疾患が隠れている可能性もあります。「見る」ことは学習やスポーツにも大きな影響を与えますので、学校検診で視力低下を指摘された場合には、眼科専門医を受診することをおすすめしています。
子どもの視力低下
視力低下は主に生活環境の影響によって起こっています。目と見る対象物の距離が近いと目が疲れやすくなり、視力低下につながります。お子様が本やTVゲーム画面などに顔を近付け過ぎていないか確認してください。
また、ストレスや疲労、不安がピントを合わせる筋肉に余計な負担をかけているケースがあり、この場合も視力低下リスクが高くなります。
近視
近くにあるものははっきり見えますが、遠くにあるものがぼやけて見える状態です。治療可能な屈折性近視の他に、補正具を使用することで視界を回復できる軸性近視があり、専門医による適切な検査と診断により見極めが可能です。
遠視
近くにあるもの、遠くにあるものの両方が見えにくい状態です。見るために集中力が必要なことから、目の筋肉だけでなく、身体全体の疲れにもつながってしまいます。子どもはピントの調整力が強いため、通常の視力検査では遠視が見逃されてしまうことがしばしば起こります。悪化すると心身への負担が大きくなるため、早めにご相談ください。凸レンズの眼鏡や遠視用のコンタクトレンズを使用して症状の改善を図ります。
乱視
ものがゆがんで見える、二重に見える状態です。角膜と水晶体の丸みが縦横の方向によって異なることによって起こる正乱視、角膜の表面が炎症などで傷付いて起こる不正乱視に分けられます。先天的なものがほとんどですが、角膜手術後に発症するケースもあります。
仮性近視
遠くにあるものを見て、近くにあるものを見ようとした際に、一時的にぼやけて見える状態です。近視のような症状が短時間生じるものだと理解されるとわかりやすいと思います。目の酷使による眼精疲労が原因で起こり、スマートフォンやパソコン画面などを長時間使用していると起こりやすくなります。最初は休息や睡眠で元に戻りますが、毎日こうした状況が続くと近視になって自然治癒が難しくなります。目の状態によって治療法が異なり、生活環境の改善も重要になりますので、仮性近視を指摘されたら早めに眼科を受診してください。
診察時間・予約時間
予約診療は行っておりません。
混雑状況については、そのつど電話でお問い合わせください。
また、新入学の季節である4月と5月は学校の下校時間にお子様の来院が集中して混雑します。
この時間帯や時期を外していただくと、待ち時間が少なく、スムーズに診療を受けられます。
ご持参ください
学校検診の結果で眼科診察をすすめられた場合、学校側から渡された検査結果をご持参ください。